日本の少子高齢化が進み、年金財政の破綻に対する不安が毎日のように語られています。
対策のひとつとして、国民年金加入期間を現在の20歳~60歳の40年間から延ばし、65歳までの45年間に拡大することが検討されているそうです。
それを聞いたとき、頭に浮かんだのは私の勤め先の若いアルバイトの子たちでした。
あの子たちの人生にとって年金ってどういう意味を持つんだろう。
まあ今回は取りとめのない話ですよ。
私の職場のバイトには、若いのに枯れた雰囲気を醸し出す、仙人系男子が複数在籍しています。
〇〇系男子といえば、主に恋愛関係で使われる表現ですが、そんな浮ついたもんではありません。
穏やかでまじめ。
なぜか正社員以上の働きで職場を支える、職場にとって無くはならない存在です。
でもそこまで。それ以上彼らがなにかを工夫したり努力したりすることはありません。
昇給制度は存在するだけで機能していないし、スキルを上げても損するだけだと思うのも無理はない。
しかし、状況を打開しようと積極的に社員を目指したり、転職しようという気持ちも見えません。
自分で人生の選択としてバイトを選んだならそれでいいんです。でもそうじゃない。
努力する以前に、今よりましな未来そのものを疑い、最初からあきらめている気がする。
すでに老人のような気配で静かにほほ笑む仙人系男子ですが、
「どうしてこんなに優秀なのにここにいるの!」
「アンタならもっと良いところで働けるのに!」
と、私は内心ハラハラしています。年のせいかね…。
彼らの落ち着きから感じるのは、「なんとかなる」という前向きさではなく、「どうとでもなれ」という投げやり的なものです。
「いいんですよ別に。1人で生きていければそれで…」と言われたこともあります。
暗い。
精神障害を持つ母親を世話するため、定職に就けない男子もいます。
ヘルパーさんはいるらしいですが、母親の状態が悪くなると、仕事を切り上げて帰らなければならないのです。
暗い。
もちろん職場にもパワー系オラオラ兄さんはいます。でも彼は就職していなくなっちゃうんです。そして彼は社長の息子で、先日2台目の車を買ってもらったという…。
格差が……(;´Д`)
で、この仙人系男子たちは、年金が増えようが減ろうがあまり関心がありません。
もちろんもらえなくなると困るし、増えたほうがいいに決まってます。
けど、彼らは自分一人で静かに生きて死ぬつもりなので、そこそこの額が支給されればいいんです(みんな厚生年金には入っています)。
繰り下げ支給で増額を、なんて考えないんじゃないかな。
つまりね、夢も希望も抱くことが出来ないんじゃ、年金いくらもらっても意味ないなぁと思ったんですよ。
老後の安心は欲しいけど、その前にもう少し人生の希望が欲しいよね。
年金加入期間と定年を延長して働いたかいがあったなぁと思える老後を、あの子たちが手に入れられるのか。パートのおばちゃんは心配しています。
以上はこの本を読んで思ったことです。
この本を読んで、年金財政は対策は必要だけど、思っていたほど破滅的ではないんだなと思いました。
てゆーか年金破綻を大声で騒いでいる人、それをそのままメディアに乗せる人達はどういうつもりなんだろう。
冷静な情報と具体的な解決策の提案、及び実行をして欲しいだけなんですけど。